葬式は何のためにあるのでしょうか。お葬式は人間しか行わないと言われます。社会的な処理
人は社会的な動物です。関係性の集合体である社会に、お別れの通知をします。
生理的には病院、社会的には葬祭業者がサービスを行うのです。
遺体処理
人体は亡くなると腐敗します。
有史以人間は遺体を放置せず、土葬、火葬など遺体の処置をしていたそうです。
お葬式は人類にとり不可欠なのです。
鎮魂
この世からあの世へ移動する儀式です。世界どこでも、この部分で宗教が関わるようになりました。
悲しみの処理
残された人々を癒す場です。儀式を通して安らぎを与えます。
お葬式は、遺体処理に関してはどの民族でも行います。また、共同体を持つ文化があるところには社会的な処理が生まれます。人間以外の動物は死体を片付けはしないでしょう。ですので、お葬式は人間しか行わないと言われているのです。
次に、霊魂といった死後の存在を認めている文化の場合、個人の霊塊に対してなんらかの鎮魂をすることになります。昔のソ連のような唯物論の文化では、死体の処理と社会的な処理以外を行えなかったでしょう(少なくとも表立っては)。中国もかっては宗教を禁じられていましたが、実際には人々は宗教的意識を失わず寺院も残っています。
さて、われわれ日本人は歴史的に神道や儒教、仏教などを取り入れた独特の死世観を古くから醸成させており、現代人とて例外ではありません。われわれは死者の霊、また先祖の霊を深く感じる民族なのです。
そのため、お葬式はわれわれの文化を継承するとともに、われわれ自体に深い安らぎを与える儀礼となっているのではないでしょうか。
形式にとらわれない【家族葬】
現代の葬儀では、形式にとらわれない「家族葬」を行う人が増えています。
今までの葬儀は(宗教的な)形式 を重視しされていましたが、近年は故人らしさを重視した葬儀が注目されています。